タッチパッド不要。モバイルキーボードの最適解 [IC-BK20SE]
昨今iPadが広まった影響からモバイルキーボードの市場は拡大している。
持ち運ぶキーボードでの要点は快適性と携帯性の釣り合い。多数の製品の中でも外に持ち運びやすく快適に打てる私なりの最適解を以下に示す。
要約
タッチパッドがない60%の折りたたみキーボードならばモバイルでも腰を据えた作業でも効率の維持が可能。iCleverでもMOBOでもいい。
ロマンと現実の妥協点
昨今折りたたみキーボードといえばiClever社のIC-BK08が有名。youtubeで多くの人が紹介している。「タッチパッド付きで折りたたみ!」「一人二役で快適!」...まさにロマンの塊。
しかしながらこのキーボードが本当に最適なのかは疑問が残る。
私は1年半ほど前に同社のIC-BK20SEを購入した。選んだ理由と長期に渡り使った感想を書いていく。
尚、IC-BK20とIC-BK20SEの違いは配列やバックライトの有無など。おそらく今買うとなるとSEになるだろう。
タッチパッドはお荷物
キーボードの最重要項目といったら当然「いかに快適に使えるか」だろう。
ICBK-08のタッチパッドについて多くのYoutuberが指摘しているように、このタッチパッドはジェスチャーが壊滅的に使えない。完全に使えないわけではないが、ストレスがたまるほどまともに動作しないのなら使えないも同義。
つまり、このタッチパッドでできるのはカーソル移動とクリックが主。
「ならマウス使えば良くない?」
これが全てである。なんならマウスの方が動かしやすい分上位互換と言える。おそらくこのキーボードを一度でも検討したということは、iPad等でカーソル移動を試してみたいという気持ちがあるのだろう。と言うことはこれを買った後により快適な操作を求めてマウスを使い出すのは必然。
しかもタッチパッドがつく影響でキーが小さくなり肝心のタイピングが難しくなる。また、マウスを置いた場合にホームポジションとマウスの間に無駄なスペースができる。
タッチパッドをつけるということは「快適性を落として無駄な間を作る」事他ならない訳である。
私はテンキー否定派なので60%キーボードが一番好み。マウスとの距離が近く疲れにくい。
確かに「タッチパッド付きで折りたたみ」はロマンの塊。が、ロマンだけではにっちもさっちも行かないので、多少妥協して現実を見るべきである。
仕様
展開時大きさ:291*117*8.25mm
折りたたみ時大きさ:166*120*14.4mm
Bluetoothバージョン:5.1
充電時間:4時間
連続使用時間:900時間
特段気になる欠点が少ない
では実際のところIC-BK20SEの使い心地はどうなのか?というとすこぶる良い。
メリット
・かな,英数キーがある
・そこそこの質感
・3つのデバイスまでペアリング可能
・独立したファンクションキー
・収納袋がついてくる
・開いて電源ON、閉じて電源OFF
デメリット
・端子がMicro USB(有線接続可能)
・かな,英数はあるが完全なJIS配列ではない(解決策あり)
・なんか微妙にマグネットが弱い?
ファンクションの機能
・ホーム
・輝度,音量の調整
・スポットライト
・曲の再生/停止、送り/戻し
実際に大きさを確認してみると、全体の大きさがMacbookのキーボードとほぼ同じ。外付けしてもタイプ感があまり変わらないのである。ということは、別に外用としてだけでなく、家でメインで使うキーボードにしても問題ないということである。
しかもUS配列をもとにしているからか、JIS配列でありがちなかな表記が無く、全体的にスッキリして見える。代償として少し特殊な配列ではあるが。
本体は表面がプラスチック、裏面がステンレススチールでできている。ステンレススチールは勿論、プラスチックといえどさらさらしていてどちらも気持ちが良い。また、表面裏面共に指の脂などが見えないのも良い。
両端のスタンドを立たせるとグラ付きは一切感じられない。足を畳むのはめんどうだが別に立たせっぱなしでも特に支障はないのでそのままでいいだろう。
収納袋が付属してくるのが嬉しい。企業ロゴがついているのは賛否両論あるだろうが、悪くないデザインなのでいいだろう。埃がつきやすいのが欠点だが洗濯すればいい。
ヒンジ部の作りもしっかりしている。信頼感を覚えるほど余計なぐらつきなどは感じない。こんな仕組みをまあよく考えるなあと思う。(まあOEMだろうが...)
また、完全に開く時/閉じる時はマグネットでパチっと止まる。気分がいい。
使用感
タイプ感は一般的な薄いキーボードと特に変わらない気がするが、サクサクとしたタイプ感であまり指も痛くならないので◎。メンブレン特有のゴムをぷにゅっと押す感じはある。
タイプ音は音量自体はMacbookのキーボードとほぼ変わらない程度。特段うるさくなければ特段静かでもない。
開閉でON,OFFを勝手にやってくれるのは嬉しい。一般的なキーボードでも自動スリープはあるが、少しでも無駄な電力を減らせるのは精神衛生上良い。
(このキーボードも30分で自動スリープする)
無線接続以外にもfn+Rで有線接続を使用することが可能。万が一充電がなくなってもケーブルがあれば使用することができる。
充電端子がMicro USBであることは少しだけ残念だが、USB-C,Lightning,Micro USBがあれば大抵のものが充電できる時代なので特段弱点にはならないだろう。
時間が経ち気がついたこと
若干片方だけ閉まる時のマグネットが弱くなった。が、本当にどうでも良いレベルの変化で、しかも別に袋に入れてしまえば変わらないので何も問題なし。
一箇所ぶつけたような傷ができていた。金属でできているので、キーボードが傷つくよりも何かを傷つけていないかが心配。
たまにF3,F10を押すときにヒンジに指が当たり痛い。が、F3はともかくF10なんて滅多に使わないので問題なし。どうせファンクションの内容を覚えていないので見てから打つことになるし。
おそらく電源ボタンが存在しないので本体の電源を完全にオンオフすることは不可能と思われる。まあ完全に切りたい時なんてないので関係ないが...
本当に意味はないがMacbookのキーボードに干渉することなくそのまま上に乗せて使える。意味がないのは理解しているがちょっとだけ楽しい。
[追記]
ゴム足がいつの間にか取れていた。がたつきが酷かったため百均で家具の滑り止め等用のゴム足を貼り付けたところ快適に使用できるようになった。
公式に連絡したところ新品を安く購入できるクーポンを発行してもらえたため、気になる人は連絡してみると良い。
同じ構成でJIS配列版が欲しいなら
MOBO社が出しているMOBO keyboardという製品が配列以外ほぼ同じ。(なはず...)
写真↑は同社の最新版の2。一部エンター周辺のキーが小さいが、さほど問題にはならないだろう。かな表記があるのでスッキリはしていないが、むしろ表記があった方が安心感がある人もいるだろう。
購入方法
肝心のIC-BK20SEはAmazonで売り切れになっていた。配列がJISな分多くの人がMOBO keyboardを好むと思うのでこちらがおすすめ。↓
また、iCleverは家電量販店などが扱っていないことが多い。(ヨドバシカメラでは未確認)。
が、MOBO keyboardは売っている。実店舗に買いに行くのが手っ取り早いだろう。
MOBO keyboardは近くのヨドバシカメラに置いてあることが確認できたので、どんなものか気になるなら展示品を触って確かめるのが吉。